まちカドまぞく解体新書 vol2と考察その2~魔法少女のコアの形~
徹夜慣れしたら人間終わりだと思ってる。
まちカドまぞくを読み込みたい
前回に引き続き、今回は2巻、vol.2。
今回は描き込まれた絵に注目してみたり、してみなかったり。
その1:アニバーサリー
これまた前回同様有名というか分かりやすいところから。
まんがタイムきららキャラットの独立創刊10周年時に掲載された15話の扉絵には10が散りばめられています。
単行本にて10円玉が道端に落ちていたことを発表しているところを見るに、おそらく当時作者のツイッターとか読者アンケートとかでどこにどんな10が散りばめられていたのか、間違い探しのように答えが寄せられたのでしょうか。その中で10円玉のスルー率が高かったから単行本で明かしたとか。
その2:デデン デン デデン
今度は15話の中身から。
身の危険を感じながら、しかし大きなタイヤを結び付けられたせいで迫る桃から逃げることができないシャミ子のシーン。
このシーンにてSEのように”デデン デン デデン デデン デン デデン テレレー テー テテー”と書かれています。
これはたとえ観たことが無いにしても聞いたことはあるであろうターミネーターのメインテーマです。
多分メインテーマ。
ターミネーター1本も観たことがないから知らんけど。
まあターミネーター内で流れていた音楽であることは確かで、そんな音楽がこのシーンで流れているのはちょっと変な感じ。
それで調べてみたら1作目のターミネーターにて、主人公と思われる人らが壊れた車内で立ち往生しているところ、ターミネーターが運転する大型トラックに轢かれそうになるシーンがありました。
このシーンの暗示だったり?
その3:二日酔いにはキャベツが良いらしい
16話にて、清子に酒漬けにされ、すっかりグロッキーなごせん像の元になにかが供えられています。
ペットボトルのように見えますが、ラベルに”汁”と読める文字が見えます。
別のコマ、異なる角度からこのペットボトルが描かれていますが、そこでは”キヤベ”と読めます。
最初の汁と併せて考えるとラベルに書かれているのは”汁キヤベ”。
汁キヤベ=キャベツ汁でしょうか。
確かにキャベツは二日酔いに効果的らしいのでお供え物として実にリリスを気遣ったモノであることは間違いないのですが、それにしてもキャベツ汁がペットボトルで売られているのって一体・・・?
その4:その意志はアニメが引き継いだぞ
18話にてみかんが幼少時の桃がどんな魔法少女だったのかを教えてくれました。
なんでも変身の時はくるくる回っていたり、ウインクしたりちょー可愛かったようです。
いわゆる変身バンクってやつですね。
この点シャミ子は興味津々で、漫画だと変身バンクは一切描かれていないので、あの脳筋クールなイメージの強い桃がそんなきゃわわな変身バンクがあったとすれば、当時の読者もそれがどんな変身バンクだったか気になったことでしょう。
この変身バンクはしっかりアニメにて描かれました。
そしてくるくるウインクも現存することも判明しました。
その5:たまさくら商店街 vs ショッピングセンターマルマ
普通商店街とショッピングモールって互いに潰しあう関係にあると思うんです。
というか商店街がショッピングモールを跳ね返したって例を知らないので一方的に淘汰される立場にあるような気がしますが。
これって無理矢理まちカドにからめるとショッピングモールが魔法少女で商店街がまぞくになりますよね無理矢理絡めれば。
ところでせいいき桜ケ丘駅前には”ショッピングセンターマルマ”と”たまさくら商店街”が共存しています。
魔法少女とまぞくの共存です。
ところがまぞくであるシャミ子はショッピングセンターマルマを愛用しているようです。
22話にてシャミ子は桃の名義でポイントカードを作っています。
ポイントをチャージしているということは、そのポイントは電子的なモノであることがうかがい知れます。
それに母親の清子もマルマで新しい冷蔵庫を買っていました。
最近じゃポイントって言えばdポイント然りpontaポイント然り電子的なモノを想像しますが、古典的なポイントとしてスタンプがあります。
単行本1巻の12話にて、桃の家の机の引き出しの中身が写っているコマがありますが、引き出しの中にスタンプカードと思われるカードがあります。
桃がたまさくらちゃんを溺愛していることからも分かる通り、桃はたまさくら商店街を愛用しているであろうことがこの事からも分かります。
考察その2:魔法少女のコアの形
前回の考察がまったく本編と関わりのないお遊び考察だったので今回もお遊び路線は変わらずそれなりに踏み込んだ考察を1つ。
作中始めて魔法少女の体の仕組みが明かされたのは単行本2巻の15話。
桃の言ったことを要約すると、光の一族と契約した時点で体のほとんどをエーテルに再構築されるのだそう。
この情報を捕捉するように18話にてみかんが、エーテルを結びつける魔力がなくなると体がかたちを保てなくなり、魂が空気中に拡散するとのこと。
はい。
単行本を3巻までお読みになった方ならお分かりかと思いますが、単行本2巻の時点で魔法少女の中核であるコアの存在に触れられていません。
桃がシャミ子に説明した時は不必要な情報なので、たしかに割愛されていても不思議ではありませんが、みかんの説明の中で出てこないのは少し変ですよね。
魂というワードは出ていますが。
この辺りも3巻まで読んだ方は分かると思いますがコアは別の地域では魂魄とも言うようなので魂=コアという認識は間違っていないでしょう。
で、本題はここからです。
コアの姿形は魔法少女によりけり。
桜は動物タイプだったり誰何は鉱物タイプだったり。
魔法少女の体の構築過程でコアが出てこない以上、コアについて考えられるパターンは2つあり、
- 体が再構築された後に生成される
- 体が崩壊した時に生成される
どちらでもあり得そうな気はしますがここに追加情報として、
- コアの姿形は魔法少女により異なる
- コア=魂
を併せて考えると後者の方が説得力があるように思います。
おそらく、というか間違いなくコアの形状は元の魔法少女の性格や装飾に依るところが大きいように思います。
例えば誰何は真っ黒な水晶でした。
実際誰何は黒いシンプルな衣装を着ていましたし、まぞくを殺すという、古典的な魔法少女としての意志には最後の最後までブレがありませんでした。
この意思の硬さが真っ黒な水晶という形でコアに反映されているのでしょう。
※追記しまーす
単行本3巻にて桃とみかんの口からコアに関する説明がありました。
完全にこのシーンを見逃しておりました。
みかんが言うにはコアは魔法少女にそれぞれあり、桃が言うにはコアの形は魔法少女の心の形に依るそうです。
つまりコアの形が心=おそらく魂に依るというのならここまで書いてきたことは決して的外れではなかったということですね。
そしてコアは魔法少女にそれぞれある、とみかんは言っており、魔法少女のどこにコアが潜んでいるのかはまったく明かされていません。
魔法少女も人並みに物を食べたり飲んだり体調を崩したりすることを考えれば、臓器も人並みにあり機能していることがうかがい知れます。
つまりコアは魔法少女の体の中にあると言う訳ではなさそう。
だとすればこの点についてもここまで書いてきたことは間違っていないのかも。
だとしたらみかんのコアはやっぱり柑橘系?
動物ではなさそう。