【キャラット10月号】初っ端から軸がぶれているように感じた「翡翠ソーダの泡に乗せて」【読切ゲスト感想】
こ、この更新速度…。
以下が目次です。
22年10月号『まんがタイムきららキャラット』
なんか、漫画の編集の仕事ってなんなんだろう、とか思うゲスト作でございました。
翡翠ソーダの泡に乗せて
もう渋い。
と言うのが最初の1ページ目を読んだときに頭によぎった感想です。
”レトロな喫茶店”というのもそうですけどメロンクリームソーダって今でもメジャーな飲み物なんですかね。
そもそもメロンクリームソーダがメジャーだった時代なんて知りませんけど。
どちらかといえばフロート系の方が今はメジャーじゃないのでしょうか。
と思って色々調べてみたら、
このように結構クリームソーダ目当ての検索もされているようなのでそれなりに愛されている飲み物なんでしょうね。
あと今までフロートってのはソフトクリームが乗っているものというイメージがあったのですが、まん丸のアイスが乗っていてもフロートと呼ぶ場合もあるそうです。
閑話休題。
この漫画の読み初めのワクワク感は結構強いと思いました。
主人公「春牧 杏華(はるまき きょうか)」の意味ありげなメロンクリームソーダへの語りから始まり、生徒会長「御門 務(みかど つかさ)」の生徒会脱走に続き、御門の働く喫茶店「ロカビリー」へとたどり着くこの流れ。
タイトルにある”翡翠ソーダ”とか”乗せて”とかはメロンクリームソーダを暗示している単語ですし、これからこの喫茶店で春牧はメロンクリームソーダと運命的な出会いを果たすんじゃないのか、という期待感を煽るようなこの流れ。
とても良いじゃないですか。
その分その後に繰り広げられた春牧と御門のちょっとテンション高めのやりとりには面食らいましたけども。
だって最初のカラーページを見てほしい。
明らかにこの喫茶店内の情景はモダンなものではないでしょう。
”レトロな喫茶”と文中にあるくらいだし、やっぱりレトロな雰囲気を醸し出そうとしているカラーページじゃないですか。
ここからめっちゃモダンチックなJKの会話が繰り広げられることを誰も想像できないと思うんですよ。
そのせいで面食らったというのはあります。
あと個人的に春牧がロカビリーにたどり着く所らへんが面白さのピークでそこから先は緩やかな下り坂というイメージです。
春牧と御門の会話パートでの中弛みはすごいと思う。
あと先にも書きましたけどタイトルのワードは基本どれもメロンクリームソーダを想起させるワードであり、この漫画にとってメロンクリームソーダはただの飲み物ではないはずなのです。
その割にメロンクリームソーダの扱いが雑。
もうほとんど御門が春牧をロカビリーで春牧を働かせるための餌にしかなってない。
扱いがしょーもない。
最初の1ページ目からなんとなく読み手には春牧にとってメロンクリームソーダが大切な飲み物だってのは分かるし、それを示すための1ページだったはず。
その割に春牧が作中にてメロンクリームソーダを実食した時の感想の少なさたるや。
タイトルからして、話の導入からして、メロンクリームソーダをもっと印象的に描く必要があったはずなのでは?
思うに。
やっぱり御門との会話の蛇足感が強いです。
そのパートはまるっと省いていきなり春牧にバイトを手伝わせて、そのお礼にメロンクリームソーダを出す、という流れにした方が良かったのでは?
メロンクリームソーダはお店の看板と明言していますし、
コーヒーとかよりも飲む人を選ばない代物でしょうから春牧に了承を得ずに出しても差し支えないメニューのはずです。
そうなると春牧からすれば喫茶ロカビリーでのメロンクリームソーダとの出会いは完全に不意打ちのものとなります。
メロンクリームソーダに特別な思い入れのある春牧からすればそれは運命的な出会いとも言えるでしょう。
こういう展開の方がタイトルも導入も喫茶リカビリーにたどり着くまでの流れも、その全てに無駄がありませんし春牧にとってのメロンクリームソーダをもっと強く印象的に描けるのでは、と思います。
まあその辺の妄想はさておき。
これまた先ほど書きましたが特別な代物であるはずのメロンクリームソーダはもはや春牧に向けられた釣り針でしかありません。
これまた何度も書きましたがタイトルや導入から読者が受け取る印象から遠く離れた位置、ぞんざいな扱いと言わざるを得ません。
要は内容とタイトルとが噛み合っていない、軸がぶれているように感じるのですがこの辺を編集は正したりしないのでしょうか。
「こみっくがーるず」とか読んでいる限りそういうことをやりそうな編集は実際にいそうなものですが、やっぱりあれはフィクションの産物なのでしょうか。
まとめ
キャラットといえば表紙の右上に何かしら一言コメントが添えられているのが特徴の1つです。
今月号の一言はこちら。
画像が汚くて読めないでしょうが「萌覇(マェンパァー)」と書いています。
多分。
中華調味料の味覇には中国語で”味の王様”という意味があるそうです。
これに照らし合わせて考えると”萌覇”は”萌の王様”といったところでしょうか。
大きく出たモンです。
今日日”萌え”を全面に出している漫画雑誌なんて数えるほどしかないでしょうに。