【きらら10月号】今月号の「妄想アカデミズム」には感服いたしました【読切・ゲスト感想】
ウルトラマンXだけはなんでか最後まで観る気が起きない。
以下が目次です。
22年10月号『まんがタイムきらら』
私がきららシリーズを読み始めてから今に至るまで掲載されている漫画はかなり変わってきているはずなのに、あの頃と全く変わらない存在感を示している「ゆゆ式」と「キルミーベイベー」。
この人らの安心感は凄まじい。
妄想アカデミズム
今月で掲載3回目でございます。
1話目では”妄想”といういくらでも話を広げられる要素の中で個人的に1番のタブーを犯しており、その点について難癖をつける記事を過去に書いております。
続く2話目では先に書いたいわゆる”悪手”をとることなく、つつがなく話は進んでいたなぁと言う感想を書きました。
各話に感想を一応書いている辺り、無意識にこの作品には期待を寄せているのかもしれません。
そんなこんなで第3話。
タイトルにもありますけど、今回のお話にはいやぁ感服しました。
この漫画のタイトルにある”妄想”は主要登場人物である「湯島 未春(ゆしま みはる)」と
「室町 莉子(むろまち りこ)」の2人の頭の中で繰り広げられます。
そしてこの2人の最大の差はなんといっても学力。
2人して東大受験を目標に勉強しているのですが湯島に関しては勉強の、特に理数系はトンチンカン。
対する室町は優等生で、作中の会話や他の人物の室町の評価を見てもおそらく室町は東大に難なく合格することでしょう。
要するに団栗の背比べとかそんな次元ではなく明瞭な学力差がありまして、今月号の話を読んでさてはその学力差もそれぞれの妄想に落とし込んでいるんじゃないのか? と思ったのです。
1話目で妄想を繰り広げたのは湯島。
この妄想中に”妄想”という単語が出てきています。
続く2話目で妄想を繰り広げたのは室町。
この妄想の中には”妄想”という単語は出てきませんでした。
最後の今月号の3話目。
この話では湯島と室町両方ともが妄想を繰り広げ、湯島の妄想には1話目と同様に”妄想”という単語が出てきて、室町の妄想にはこちらも2話目同様”妄想”という単語は出てきませんでした。
つまり、
- 湯島の妄想には”妄想”が出てくる
- 室町の妄想には”妄想”が出てこない
という差別化がおそらくはされているのかなぁと。
もっと言うと、
- 頭の悪い湯島の妄想には”妄想”が出てくる
- 頭の良い室町の妄想には”妄想”が出てこない
とも言えるのです。
これってつまり作中に出てくる妄想の内容というか程度は、その妄想をする人に依存しているということですよね。
つまりつまり、妄想にもキャラ付けがされているということですよね。
もしかしてそういうことなんじゃないのか? と読んでいて気がついた時ちょっと震えました。
学力、すなわち知力が妄想中の人物の発言に作用するのは、ある意味当然といえば当然のことです。
いくら現実とかけ離れた妄想といえど当人が知らないことは妄想中にも出てきようがありません。
妄想中に”妄想”という単語を出すのは、コントに言い換えればコント中に出てくる人物が絶対に言わないこと、やらないことをやっているようなモンです。
それはかなり稚拙な笑い、品のない笑い。
一言で言えば能無しの笑いです。
この辺の書き分けを作者の檜山ユキ先生がやっているのだとすれば、おそらくこの人も私と同じ価値観をもっているということになるのでしょうか。
12月号から連載開始ということで。
これが偶然の産物ではないことを4話目以降で証明してほしいです。
まとめ
「ゆゆ式」もそうですけど「スロウスタート」も変わらない存在感を示していますね。
「けいおん!shuffle」がね、正直いてもいなくても、みたいな。
今月号で「むすんで、つないで。」が最終回を迎えましたけど特に感想はないです。
良くも悪くも平常運転だったなぁ。という感想。