【MAX5月号】わかりやすさは水と油を混ぜ合わせるところから始まる「さうのあっ!」【読切・ゲスト感想】
23年5月号『まんがタイムきららMAX』
個人的にMAXはきらら4誌の中で最弱に位置しているので特に「ラスボスは逃げ出した▽」には頑張ってもらいたいところ。
「ばーがー・ふぉー・ゆー!」はあんまり長生きしなさそう、しなさそうじゃない?
さうのあっ!
サウノア。
フィンランドの言葉で日本語ではサウナとなるようです。
遅くない?
まだサウナって流行ってんの?
サウナがよく話題に上がっていたであろう時期に連載が始まった漫画もありますが(【きらら9月号】「異世界サウナでととのいましょう!」に見る異世界と基本世界の混和【読切・ゲスト感想】 - きらら追随記〜細々と息をするオタクの足跡〜)その時期から考えればかなり時期は離れているのでは?
まぁそういう邪推は置いておきましょう。
純粋にサウナが好きな民というだけかもわからんし。
あらすじ
風呂が苦手な女子高生「景山こかげ(かげやまこかげ)」は下校途中斧を振り下ろすフィンランド人「リューディア・アラヤ」と出会う。
銭湯でバイトするリューディアに誘われ、銭湯のノウハウをフィンランド人から景山は習うことに。
諸々衝撃はありながら、
サウナにも揉まれ、
なんだかんだ銭湯やサウナに好印象をもった見影。
そんな見影のクラスにリューディアが転入してくるという、そういう漫画。
良かったところ【水と油を混ぜ合わせるのは基本】
ある意味お話作りの基本でもあるのですが、なにかしらの物を話の主題に置くとき(この漫画で言えば”サウナ”)、主人公はその物から遠い位置にいることが話作りの上でもっとも話を展開させやすくなります。
そうすると主人公以外にその物について博識な人物が出てくるのは必然なので説明文多めの会話劇を展開することができるようになります。
そういうこともあってこのような展開をもたせる場合は”その物”は読者の興味関心を引くものでなくてはいけません。
その点でサウナってどうなのと思いますが、この漫画の場合そこからさらに一捻り加えていて、それはサウナについて主人公に語る人物がフィンランド人=サウナ本場の人であるということ。
過去にテレビであるコメンテーターが「ラーメンは中国で生まれ日本で成長しアメリカで死んだ」とコメントしていましたが、とにかく日本人は他国の文化を我流にアレンジすることが得意なのです。
なので日本のサウナとフィンランドのサウナにも差はあることでしょう。
そこを切り口にできる、というのも強みですが、そのようなキャラ付けをした人物が登場すると今度はさらに知識のある人。
すなわち主人公はもちろん主人公にサウナを語るメイン人物以上にサウナに知識のある人を出すこともできるのです。
実際にこの漫画にもそのような人物が出てきています。
これは展開的に、というか登場人物のサウナに関する知識量的に出てくること自体に違和感はありませんし、この後この帽子のキャラクターがメイン人物として出てくることは想像に難くありませんが、そうなったとしても扱いに困るようなキャラになることはないと思います。
なぜならリューディアがフィンランド人だから。
この辺の塩梅は良い加減のように感じました。
気になった点【オチを捨てに行く展開】
か
とにかくこの一コマが気になりました。
この単語が出てきた時点でリューディアが見影と同い年であろうことは簡単に想像できます。
事実同い年の同級生でした。
最後の2本の4コマは上の一コマに紐づかれた4コマです。
つまりオチという漫画のとても重要な部分を推測できてしまう内容に仕立て上げたのが上の一コマなのです。
これは最後の1ページを自ら捨てにかかっていると言っても過言ではありません。
ページを無駄にしているのです。
これはとてもいただけない展開です。
個人的にとても大きな失点です。
もっというとあの一コマがあるせいでオチが平凡なものになってしまうのです。
仮にリューディアが見影よりも年上だとしたら「あ、ふ〜ん」と簡単に流せる展開になりますし、同い年だとしたら簡単に想像できたレベル。
年下だとしたら「なんか捻ってきなな」というマイナスにも取れかねない感想が占めることと思います。
つまり及第点が最大点という展開に自らもっていっているのです。
それはいけない事でしょう。
まとめ
個人的にこの1話目は盛り上がりどころに欠ける漫画だったかなというのが感想です。
つまらなくはないんですけどね。
新鮮さと言いますか、漫画として読んでいて感動はなかったです。
これは連載化するかな?