「まちカドまぞく」ってどんな漫画?|きらら探求軍
長い休載から復帰して来月号から連載が再開する4コマ漫画「まちカドまぞく」。
数多の考察がなされている本作が一体どのような漫画なのかを私見をふんだんに交えながら書いてきます。
「まちカドまぞく」ってどんな漫画?
2014年8月号に初ゲスト掲載、同年11月号から連載が始まった本作。
来年11月号で10周年を迎えます。
そう考えると結構長く続いている印象。
しかし作者の体調不良が続いたこともあり既刊単行本数は7。
テレビアニメが2期まで制作されておりその人気は相当なもの。
作中の細かい描写や単行本1冊単位でよく練られたストーリー、コミカルとシリアスの描き分けの上手さから、可愛らしい見た目の作風に反して実に読み応えのある漫画です。
特にストーリーの練り込みは相当なもので、ネット上にはいくつもの考察が展開されています。
かくいう私もその考察を展開している人物の一人でして。
結構書いています。
現在きらら作品の中で色々な意味で特別注目されている作品である。
「まちカドまぞく」はそう言える作品です。
あらすじ
多魔市、せいいき桜が丘に住む虚弱体質な女子高生「吉田優子」はある日突然の先祖返りが起こりまぞくとしての力が発現する。
この事をきっかけに吉田家のルーツを知った優子は我が家に続く封印を解くため魔法少女の生き血を求め、活動名「シャドウミストレス優子(=シャミ子)」と名乗り宿敵魔法少女「千代田桃」に戦いを挑む。
戦いのうちに不本意ながら桃と親しくなっていくシャミ子は自身と桃との先代から続く因縁や、せいいき桜ヶ丘に秘密が潜むことを知っていく。
4コマ漫画としての完成度の高さ
「まちカドまぞく」は4コマ漫画です。
4コマ漫画というのはなかなかに特殊な漫画で、通常の漫画と違いコマ割りによる表現というものは不可能に近い漫画です。
わざわざ制限を設けて描いているということです。
その分通常の漫画と比べると読みやすさは勝るという長所が生まれるわけで。
4コマはコマが4つだから4コマであり、物語の基本骨子「起承転結」も構成要素は4つ。
そのためストーリー性の高い漫画であったとしても1つの4コマで起承転結をもたせて描かれた漫画もあります。
「まちカドまぞく」はそのタイプ。
ちなみにそいじゃないタイプの4コマとして例を挙げておくと「NEW GAME!」とか。
話の作り方が基本に忠実だからか4コマ漫画としての完成度が非常に高い。
非常に読みやすい。
ハンバーガーというシンプルな料理が個人経営店間ではもちろん全国チェーン店間でも差が生じるのはシンプルな料理だからこそ、作り方や使う材料の差がダイレクトに出てくるからです。
4コマ漫画にしても同じ事。
実に読みやすい漫画なのにその裏で登場人物のキャラストーリーや設定、舞台背景の時系列ごとのイベントなど、事細かに設定されているからこそ読み応えのある漫画に仕上がり、考察が展開されるようになるのです。
「まちカドまぞく」が特別面白いのではなく伊藤いづも先生が描く4コマ漫画が面白いのです。
「まちカドまぞく」連載終了後もきららで連載してくれたらありがたい話ですね。
これからの「まちカドまぞく」
おそらく間違いなく言えることはこの漫画はそう長く連載されないだろうということです。
元々伊藤いづも先生はこの漫画を3巻で終わらせる予定で次回作の案を担当に出していた、なんて話もあるくらいですし、元から長期連載はあまり望んでいなかったように思います。
昔と違って最近じゃどんなに人気がある漫画でも編集が引き伸ばしなどをすることなく作者の意向に沿って早々に終わらせる場合もありますし、「まちカドまぞく」にしてもこのパターンに分類されてもおかしくないのではないのか、と。
重要なのは次回作の案を担当に出していた、ということでこれはつまり次回作があるとすればそれもきららで連載する、ということだと思うんです。
ここまで上手く4コマ漫画を描ける人を逃してはいけないぞ、芳文社。