きらら探求軍〜細々と息をするオタクの足跡〜

主にまんがタイムきららコミック、ウマ娘に関することをぼそっと書いています。ちょこちょこyoutubeにも投稿していたり。

「ごきチャ」ってどんな漫画?|きらら探求軍

ウマ娘」以外にも様々な種類を包する擬人化。

きららにも数多くの擬人化漫画がありますが今回はその中で今後後を続くような作者がいなさそうな4コマ漫画「ごきチャ」。

この漫画が一体どのような漫画なのかを私見をふんだんに交えながら書いていきます。

 

 

 

 

 

「ごきチャ」ってどんな漫画?

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きららでは2011年3月号に初ゲスト掲載、同年9月号から連載が開始しています、

「ごきチャ」はきらら発の漫画ではなく、元はmixiコミュニティが発祥でコミケにも同人誌として2年にわたり発行。

メロンブックスの売り上げランキングで1位を取ったり携帯電話向けにアニメ化もされたりしていますWikipedia情報)*1

これらはすべてきらら連載前の出来事であり、つまり連載時にはある程度知名度はあった漫画ということになります。

そのためか1巻から最終巻の5巻に至るまでさほど作風に変化はありません。

1巻の時点である程度完成された漫画だったということです。

そんな漫画「ごきチャ」はなんとゴキブリを萌え擬人化した4コマ漫画

現在もきららにはマグロを擬人化した漫画や、過去に読切で危険物質を擬人化した漫画もありましたが*2”ゴキブリ”という露骨に人に嫌われるモノを擬人化するような漫画はなかなかないでしょう。

それに加えて2011年から2016年まで連載、単行本も5巻出ております。

これはきららで考えれば普通に長期連載の分類であります。

社会的にも大きな影響を与えた「けいおん!」が本編4巻で終了したことを考えれば5巻連載はやっぱり長期連載です。

つまり連載前のオリジナル同人として人気があり、きららという商業誌に場所を移しても人気があったということです。

きらら史に残る数少ない擬人化漫画

擬人化した題材もさることながらこの作品に関わるお話は全て唯一無二のものだと思うし、そういう意味で後にも先にもなさそうな4コマ漫画だと思っているのです。

 

あらすじ

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関東に住むゴキブリ”ごきチャ”は相当タフネスなゴキブリ。

人に叩き潰されても、殺虫スプレーを浴びせられても、ホウ酸団子を食しても五体満足でいられるタフネスさ。

そんなごきチャの夢は人間の友達を作ること。

そのためにゴキブリが居ないとされる北海道へと向かった。

 

ゴキブリ⇆ごきチャという関係性

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この漫画にでてくるごきチャの大きな特徴は、一般的に認知されているであろうゴキブリの特徴とごきチャの性格がほとんど真逆の関係にあるということです。

一般的にゴキブリは湿気が多くて暖かい暗所を好んで生息する習性があります。

北海道にゴキブリが居ないと言われる所以です。

また基本的になんでも食糧にできてしまうため、ゴミ捨て場や排水溝など、汚れの溜まった汚い場所を好んで生息しています。

それに対してごきチャは、

  • 日中日向で意気揚々と活動をしている
  • 綺麗好き

と、明らかに一般論で語られるゴキブリの生態から大きく外れた生活を送っています。

この描き方に関して、これは私の推測でしかありませんが、ゴキブリは一般的に忌み嫌われる存在であり、それに対しごきチャは人間に好かれることを第一に考えて行動しています。

よってごきチャの生活の様子を一般論に語られるゴキブリのそれから大きく外すことによってゴキブリとは正反対の生き物である、すなわち一般的に好かれるような存在として描いているのかなぁと思ったりしています。

 

これからの擬人化漫画について

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「ごきチャ」は連載終了していますし今後はないので広義で擬人化漫画というものについて考えてみようかと思います。

擬人化と言えば人ではないものを人に見立てた作品を指します。

直近では特に「ウマ娘」が広く認知された擬人化作品かと思います。

少し前なら「けものフレンズ」。

ここではひとまず「ウマ娘」に絞って話を進めます。

ウマ娘」は競走馬を擬人化したソーシャルゲームです。

ここで問題になってくるのはどうして競走馬を人に見立てようと思ったのか、ということです。

擬人化することで期待できる効果は2つあります。

  1. 競走馬に関するあれこれの特に心情的な部分の話を色濃く描ける
  2. 競馬に興味のない層を取り込める

特に大きいのが1つ目でして、これに関しては特にテレビアニメ「ウマ娘Season2」に顕著に出ていたように思います。

トウカイテイオーWikipediaとかと一緒に見ているとアニメの方でWikipediaの情報と合致するシーンがいくつもあるからです。

もちろん偶然なのでは断じて無く、制作サイドがトウカイテイオーのモチーフとした競走馬トウカイテイオーにまつわる話をよく理解しているからこそできる芸当です。

これはアニメに限らずソシャゲ版ウマ娘にしても同じことです。

勝負服のデザインや育成シナリオに関して実に史実に忠実です。

もちろんオリジナル要素も多分に存在しますが、ベースは史実に忠実なのがほとんど。

競走馬をモチーフにしたゲームなんて「ウマ娘」以外にも前から存在しているのに後追いの「ウマ娘」が先人たちを圧倒的に追い越し、突き放していられるのは競走馬を擬人化し競走馬に関する話をとっつきやすく表現しているからなのです。

この点で擬人化というコンテンツのもつ力が計り知れます。

2つ目に関してはそりゃそうだよね、って話です。

競馬は日本各地で定期的におこなわれているものですし、1つ目の理由とも被るところはありますが、育成シナリオが史実に忠実ならもちろんモチーフの競走馬が出走しているレースだって実在するのが殆どなのですよ。

そういうレースに興味をもつようになり、現在の競馬にも興味をもつようになる。

別に不思議な話ではありません。

 

ちなみに競走馬の擬人化、ということで競走馬を人にするだけならまだしもそれを女の子にした理由についてですが、これはそんなに深い意味はないと思っています。

そもそもゲームをオタク層に向けて発表するなら登場人物は男の子よりも女の子の方がウケがいいから、とかそんな感じなんじゃないんですかね。

牝馬を女の子にするのはまだしも牡馬まで女の子にしたのは、なんかあれじゃないですか?

二次創作で繁殖馬云々みたいな話が出てきかねないから、というか、性の解釈を挟み込む余地を残すと馬主が怒りそうとか、そんな感じ?

 

 

 

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