「巴マミの平凡な日常」ってどんな漫画?|きらら探求軍
二次創作。
アニメなり漫画なりゲームなり、人気のあるコンテンツはそのコンテンツを題材にした漫画やゲームが作られるものです。
同人誌がその最たる例でしょうか。
二次創作は基本的にファンが個人で描くものですが、中には公式に描かれている二次創作も存在します。
今回は一大ムーブメントを巻き起こした「魔法少女まどか☆マギカ」の公式二次創作「巴マミの平凡な日常」について私見を交えながら書いていきます。
あらすじ
なんだかんだ31歳になった魔法少女()巴マミは関東某所で派遣社員として働いている。
ファンタジー要素ほぼほぼ皆無の世界で一人のOLの生活する様を描き続ける。
「巴マミの平凡な日常」ってどんな漫画?
今やきららのストーリー漫画雑誌『まんがタイムきららフォワード』で連載していますが元々は作者あらたまい先生が個人で描いていた同人誌です。
「魔法少女まどか☆マギカ」に出てくる巴マミといえば女子中学生とは思えないほど肉体的に精神的に達観しているような雰囲気を醸し出しながら、”みんな死ぬしかないじゃない!”というセリフからもわかる通り、メンタル面の打たれ弱さは年相応といった感じ。
裏と表がはっきりした作中でもっとも人間臭い魔法少女というイメージが私の中にあります。
同時に作中でもっとも浮かばれないラストを迎えた魔法少女でもあると思っています。
そういう点から成長した巴マミをスポットに当て、かつ一般的な幸不幸を享受しながら生活している様が描かれているのかと思っています。
そして上記の認識が多少なりとも読者と作者との間で共有されているからこそ、ただのOLの平凡な、すなわち面白みがほとんどない生活の様子を描いた漫画が一定の支持を得ているのだと思います。
二次創作は本編では決して描かれない、作者の希望する展開を描くことがほとんどです。
「Fate/stay night」の公式二次創作「衛宮さんちの今日のごはん」はその最たる例のようにも思います。
あらたまい先生が単純に巴マミというキャラが好きだったのか、もしくは巴マミに救いを求めたのか。
どうして「巴マミの平凡な日常」を描き始めたのかは当人にしか知れないことですが、何にしても、
作者もしくは読者のささやかな希望が詰め込まれた漫画
それが「巴マミの平凡な日常」という漫画なんだと思っています。
二次創作って難しい
話は少し変わりまして。
漫画にしろアニメにしろ興行的に支えているのは熱狂的なファンではなく、その時々のムーブメントに左右される俗にいうにわかという層です。
だからこそ二次創作の人気はその元ネタとなるコンテンツの人気の上下の影響を受けやすいのです。
公式に二次創作が作られる理由はいくつかあると思います。
本編では描けない分岐ルートを描いてみたいとか、一キャラを深掘りしたいとか。
そういう目線もあるべきですがビジネスとして考えるなら、
売れる・売れないという博打要素が非常に少ない
これが二次創作の強みの一つです。
先ほども書いた通り二次創作の人気は元ネタの人気の影響を受けやすいのだから、その元ネタが人気のうちは二次創作だって稼ぎを出しやすいコンテンツであるはずです。
そういうビジネスな面の話をするなら「巴マミの平凡な日常」は果たして主人公は巴マミでなくてはいけないのでしょうか?
タイトルが「暁美ほむらの平凡な日常」とか「佐倉杏子の平凡な日常」という作品では売れなかったのでしょうか。
強烈な邪推を展開しましょう。
平凡な日常というのはありきたりな日常ということであり、面白みがほとんどない日常とも言い換えられます。
となると一つ考えてほしいのです。
内容は「巴マミの平凡な日常」とほとんど同じ、けれども登場人物が巴マミでも鹿目まどかでもない、誰かもわからないオリジナルの元魔法少女。
そんな漫画が「巴マミの平凡な日常」と同等に売れるのでしょうか。
何度も書きますが二次創作の人気は元ネタの人気に左右されます。
元ネタに人気があれば二次創作にも人気が出る確率は高くなります。
それはつまり内容はどうあれ元ネタに人気があれば二次創作にも人気が出る可能性が非常に高くなるということです。
完全に邪推で蛇足です。
ちなみに個人的にはこの漫画の主人公は巴マミでなくてはいけないと思っています。
理由は先ほども書いた通り、巴マミがもっとも人間臭い魔法少女だからです。
人間臭いキャラの方がありふれた生活の描写はマッチするはずですから。