「まどか☆えんがわ」ってどんな漫画?|きらら探求軍
二次創作。
元ネタありきの創作物に求められるのは忠実な元ネタの輸入か、創作者のオリジナリティか。
今回はその両者を上手いこと配合させた二次創作4コマ漫画「まどか☆えんがわ」について私見を交えながら書いていきます。
あらすじ
長女・マミ、次女・杏子、三女・ほむら、四女・さやかは魔法少女。
そんな彼女らを見て魔法少女になることに憧れる末っ子・まどかとそんな5人姉妹に飼われている生命体・キュウべぇのゆるい日常を描く。
「まどか☆えんがわ」ってどんな漫画?
上に前回書いた「まどか☆えんがわ」と同様の「魔法少女まどか☆マギカ」の二次創作漫画「巴マミの平凡な日常」の記事を貼っておきます。
こちらは「魔法少女まどか☆マギカ」の中で特に悲惨な目にあって死んでいった最も人間臭い魔法少女・巴マミが無事に成長しタイトルにある通り平凡な日常を描いた漫画です。
二次創作でただ平凡な日常を描くならその日常の中に身を置くのは元ネタの中で非凡な日常を送っていた人物が適切です。
そういう意味で個人的には巴マミがもっとも適した人選だったと思うのですが、この”非凡”というのが厄介な代物でして。
「魔法少女まどか☆マギカ」本編(テレビシリーズに限り)で最も凄惨な最後を迎えたキャラというのにかなり個人差があるように思います。
それは作中どのキャラに感情移入するかに寄ってくるからです。
そういう意味で「巴マミの平凡な日常」は主人公が巴マミでなくてはいけないのか? という根本的疑問も生じるのですが、「まどか☆えんがわ」に関してはそんな疑問が生じる隙が一切ありません。
同じ二次創作漫画にありながらその実毛色が全く異なる漫画だからです。
「巴マミの平凡な日常」は原作の展開ありきで初めて面白みを実感できる漫画です。
一方「まどか☆えんがわ」に関しては極論「魔法少女まどか☆マギカ」を知らずとも楽しんで読める漫画です。
しかし「魔法少女まどか☆マギカ」を知っていればなおの事楽しめる要素が多くあるといった感じ。
例えば、
とか。
二次創作はそれを二次創作として理解して読んでいる人は当然元ネタを知っているわけです。
一方二次創作を二次創作として読んでいない人だっています。
そういう人にはよく刺さる漫画だなぁと思います。
二次創作に作家個人の個性をどこまで捻じ込んでくるのか、というのも大事なのです。
没個性的、元ネタの内容に忠実な二次創作なら単純に絵を描ける人なら誰でも描ける二次創作であり、誰が描いたって同じじゃんとなってしまうのです。
しかし実際のところ二次創作に対して”誰が描いても同じじゃん”と思っている人はいないと思います。
それは二次創作にその漫画や絵を描いている人の元ネタに対する解釈や表現技法が反映されているからです。
「まどか☆えんがわ」の作者PAPA先生はその辺の塩梅が非常に上手いのです。
元ネタをまったく殺さず自身のオリジナリティをふんだんに練り込んできます。
元ネタを知らずとも楽しんで読める最大の理由がコレです。
そういう事で、
にわか層からオタク層まで幅広く好意的に読める漫画
万人受けする良い漫画だと思います。
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