どうしてきらら作品は単行本2巻で打ち切りと判断できるのか〜2巻の壁の前で〜|きらら探求軍
打ち切りとは継続している作品が途中で終わってしまうことを指します。
それが連載物であれば作者の考えていたシナリオの途中で連載が終わってしまうことを打ち切りというのです。
連載が打ち切られる時とはすなわちその作品が見切られる時でもあります。
きららはその点が顕著で単行本2巻で終わった作品は打ち切られた作品であるというように捉えられることが多々あります。
どうして1巻でも3巻でもなく2巻で終われば打ち切りなのか。
そう考えられる理由を私見を交えながら書きます。
そもそも打ち切り作品とは?
星は最後に爆発する時が最も美しいという考えから打ち切り漫画をさながら芸術作品のように楽しむ人もいます。
が、大抵の人は打ち切り作品に対してポジティブなイメージは持ち合わせていません。
つまらなかったから反響が良くなかった。
だから打ち切られた。
きららで言えば「ゆるキャン△」が、ジャンプで言えば「ONE PIECE」が打ち切られるということがあり得ないことだというのは明らかです。
人気のあるコンテンツはアニメ化やグッズ化、その他企業とのコラボなど利益を生み出す糧になりますし、そのコンテンツの掲載誌も知名度が上がり他の作品も注目されるようになり、更なるヒットコンテンツを生み出せるという正のスパイラルを生み出すことができます。
良いように言えば看板作品。
悪いように言えば金の生る木でありチョウチンアンコウの提灯なのです。
そう考えると作品を打ち切るというのはなかなか酷なものです。
利益を生み出せそうにないから連載を終了させるということですから。
商業誌はボランティアではないので当たり前といったら当たり前なんですけどね。
どうしてきらら作品は2巻で打ち切りと判断できるのか
商業誌はあくまでもビジネスなので人気のない作品を続けるか否かに冷徹な判断を下す必要があることは明らかです。
その文脈においてまんがタイムきらら、というか芳文社はかなり寛大であるように思います。
なぜなら連載化した漫画はもれなく単行本化するからです。
”もれなく”と断言しましたが私の記憶に漏れがあったら申し訳ないです。
でも自分が記憶している限りは単行本化していない連載作品はありません。
単行本を出すこと自体にもお金は動きます。
仮に単行本化しても売れ行きが芳しくないであろう作品に関しては編集の判断によって単行本化しないという例もいくつかある以上、必ず単行本が出るというのはそれだけでも作家に対して温情のある態度だとは思います。
それ故に2巻で終わると打ち切りと言われてしまうのですが。
なぜなら1巻目は人気の有無に関わらず必ず出版されるからです。
もっと言えば大抵の連載作は数話のゲスト掲載を経て連載化しています。
つまり数話においては読者からそれなりの支持を得た上で連載が始まっているはずなので最初の1年分くらいは評価が悪くなりようがないのです。
故にその漫画の素の人気が出てくるのが2巻掲載分の連載話になってくるということです。
この話数の間に人気を維持できなかった作品、人気を確保できなかった作品が2巻分で最終回を迎えるというカラクリです。
ちなみにこれは4コマ誌の『まんがタイムきらら』『まんがタイムきららキャラット』『まんがタイムきららMAX』に関する話でストーリー漫画の『まんがタイムきららフォワード』に関しては巻数に若干の差が生じます。
具体的にはフォワードの場合は単行本数が3巻だと最終回というイメージです。
なので先月号のフォワードで言えば「追風のジン」と「すぱいしーでいず!」はおそらく打ち切りです。
最後に
2巻が打ち切りだと考えられる根拠の一つに「まちカドまぞく」が挙げられます。
アニメ化もしたご存じの作品だと思うのですが、この漫画はアニメ化以前は単行本3巻で連載を終了するつもりだったと後に作者が語っています。
アニメ化した以上他の漫画に比べると圧倒的に人気があったことは間違いないでしょうからその漫画が3巻で終えようとしていたのなら3巻や4巻くらいの巻数で最終巻を迎えた作品は作者の意向で連載を終了した作品と考えられます。
前回の記事 → 「限界ゲーム飯」ってどんな漫画?|きらら探求軍 - きらら探求軍〜細々と息をするオタクの足跡〜
次回の記事 → 未定