きらら探求軍〜細々と息をするオタクの足跡〜

主にまんがタイムきららコミック、ウマ娘に関することをぼそっと書いています。ちょこちょこyoutubeにも投稿していたり。

三者三様駄作読切を徹底的に語る|きらら探求軍

当ブログでは基本的に読切やゲスト作に焦点を当て、良作を褒めちぎり、駄作を貶しまくってきました。

その経験からなんとなく面白くない漫画というのがどういうものかを理解できてきたように思います。

と、いうことでこれまでの読切作の中で特に駄作だなと思った漫画を私見中心で書いていきます。

褒めちぎった作品を紹介しても良いんですけどね。

駄作の方が圧倒的に書きやすいのでね。

駄作を貶すと言ってもただつまらないと連呼するだけでは意味のない悪評です。

そこはしっかり気を付けてなるべく定性的に書くように努めます。

漫画を構成する要素を大雑把に「ストーリー」「画力」に分配しまして、ストーリー的な駄作、画力的な駄作、両方が必要十分ではない文句なしの駄作と3パターンをご紹介します。

 

 

 

 

 

ストーリー的な駄作

1mrnoname.hatenablog.jp

3年前の読切漫画だっていうのにいまだに鮮明に覚えている、それほどの駄作が「JKだって落語がしたいっ!」です。

私のブログでは質の悪い読切の代名詞的な存在となっています。

内容を簡潔にまとめますと、

主人公はかねてより落語に興味があった天神みか。

落語研究会=楽研に所属することを夢にしていたけれど進学した高校にはそんな研究会はなく、天神みかは新たに楽研を作るためにメンバー集めに奔走する。

といった内容。

この漫画のどこが駄作なのかというとタイトルに「落語」とありますが作中に落語要素は一切ないのです。

魔法が一切出てこない「魔法少女まどか☆マギカ」とか宇宙に全く行かない「宇宙兄弟」とかテニスをしない「テニスの王子様」みたいなものです。

その要素を出さないのなら漫画としてそのタイトルで成立しないだろ、という話でまるで部活もののテンプレートを読んでいたような感覚すらありました。

これはストーリーの骨組みともなる設定の話です。

肝心のストーリーも酷い。

この学校では新たに部を作るためには部員が4人に顧問が1人必要で、作中では部員を3人集めるに留まりました。

読切で先の話は存在しないというのになぜか部を発足させずにお話を終えてしまったのですね。

訳がわからん。

部員が4人と顧問が1人必要と言っているのは、天神みかの担任の先生なのですが。

例えばね?

必要な部員を3人に減らしてかつ部員を集めることができれば担任の先生に顧問をやってもらう約束を取り付ける

というふうに設定を変えれば全く同じ内容でも部は発足できたのです。

更に担任の先生が「ゆるキャン」のぐびねぇのように、部活動の顧問はめんどいけど落語に対して少しは関心がある、くらいの設定にしておけばなおのことよし。

これもこれでテンプレ展開な気がしますけど。

てもどうせテンプレ展開なら完全燃焼できる内容の方が良かったんじゃない? とは思います。

消化不良感がすごい。

ちなみにこの漫画の作者、つみきつき先生は、のちにまた1本読切、その名も「JKだって落語がしたいっ!あなざー」なる漫画を掲載します。

こちらは良作でした。

実にタイトルに忠実な漫画。

この読み切りを経て「今日の授業は恋愛です!」にて連載開始。

この連載が終わった後「性別不明な殺し屋さんがカワイすぎる。」というタイトルの漫画で新連載を決めています。

つみきつき先生は漫画を描けば描くほど如実にステップアップしています。

それがわかるからこの人が描く漫画は読むのが楽しいのです。

 

画力的な駄作

1mrnoname.hatenablog.jp

次に画力的に駄作だと思った漫画。

こちらも1年前の漫画なのによく内容を覚えています。

原作、作画共に過去にきららに掲載歴があります。

骨抜きチキン先生は「あいらいく俳句」という作品で連載、椿花子先生は「なほほんケア」という読み切りを描いていました。

個人的に両方とも好きな作品だったのですが。

まあ綺麗な色と綺麗な色を混ぜ合わせても綺麗な色になるわけではないですから。

絵的に駄作、と言いましたからやっぱり着目すべきが絵。

ご覧ください、この絵を。

ぶっちゃけどこに駄作の要素があるのかまったくわからないかと思います。

このどこからどう見ても中学生とか高校生とか、とにかく学生にしか見えない主人公江戸崎ひなこ。

こう見えて実は33歳です。

この情報を頭に入れてもう一度よくこの絵を見てほしい。

これが33歳に見えますか?

この人が独り身を憂う33歳に見えますか?

絵的に駄作というのはこの点を指します。

33歳なら33歳らしく

ここがしっかり描けないとブレるんですよ、面白さが。

巴マミの平凡な日常」という漫画を例に出しましょう。

仮に、この漫画に出てくる巴マミが「魔法少女まどかマギカ」登場時とさほど変わらない容姿で出てきたら。

それはもう文字通りただの日常です。

この漫画の面白さの軸は、容姿を見ても、生活の様子を見ても、どこからなにをどう見ても三十路を迎えた魔法少女さんが主人公だ、という点なのです。

中途半端に容姿が若かったらその軸はぶれます。

「ひなことぺろ次郎」はそういうことをやってしまっているんです。

江戸崎ひなこが33歳に見えない時点でこの漫画はもう終わりです。

漫画として良し悪し以前の問題です。

内容はともかく見てくれくらいはちゃんと整えてほしい。

 

文句なしの駄作

1mrnoname.hatenablog.jp

個人的にこれまで読んできた読切作品のなかで文句なしの駄作。

比類なき駄作。

それがこの漫画です。

この漫画の感想を先に一言で言っておきましょう。

どんだけ人材足りてないの?

ストーリーの展開を箇条書きしましょう。

・日傘(ではない)をさしながら登校中のSJK丸井めら

・日差しに溶けかけている少女きゃんでぃを発見

・丸井めら日傘(ではない)を貸し与え、そのお礼に半壊したキャンディを貰う

・直後、丸井めら熱中症でダウン

まいほーむで療養後、姉と近所にできた飴屋きゃんでぃしょっぷ!に来訪

・そこできゃんでぃと再会

以上。

マジで話が展開していない

SJKについても説明一切なし。

多分Smart JK

この漫画にOKを出した編集の感覚を知りたい。

神経を引っこ抜いてやりたい。

キャラ絵といい、話の進め方といい、適当な背景といい。

すっごく古臭い。

これって面白いでしょ? って押し付けてくる感覚がものすごく顕著、鬱陶しい。

すっごく少女漫画。

昭和時代のものすごく面白くない少女漫画って感じがしました。

これを面白いと本気で思っているのなら逆にすごいと思う。

絵の部分でいうと、別に下手とは言いません。

漫画を描けるってだけで個人的には尊敬もの。

でもこの漫画についてはマジで掲載誌を間違えているんじゃないかって感じが凄まじい。

絶対この漫画はきららの特色にあっていません。

しかも最後の4コマがただのキャラ絵で埋められているというね。

もう最後の最後に漫画を描くことすら放棄しています。

なんなん、マジ。

 

最後に

ネットが普及して絵師や漫画家が気楽に世間に作品を公表できるようになった現在。

もしかしたら出版社にとって漫画家は育てるものから発掘するものにシフトしているのかもしれません。

だとしたら芳文社の発掘能力が低すぎる

育てる路線で舵を切って、どうぞ。

つみきつき先生のような漫画家は他にも絶対いるはず。

面白い漫画の描き方というのを知っている人はいないのかもしれませんが、逆に面白くない漫画の描き方というのははっきりしているのだと思います。

要はこの記事で紹介した3作のような漫画を描かない限り悪評はつかないだろうと思います。

つまりは、

  • タイトルと中身をリンクさせる
  • キャラ設定とキャラデザに統一感を持たせる
  • 漫画としての最低限の様式を保つ努力をする

きららの読切だと「JKだって落語がしたいっ!」のようにストーリーが拙い漫画が結構多い印象があります。

だからこそ当ブログでは質の悪い読切の代名詞的存在となっている訳でして。

「ひなことぺろ次郎」のような漫画はそうそう出てこないし「きゃんでぃ!」のような漫画は2度と出てくるな。

底辺も底辺の漫画でございます。

といったところで今回はここまで。

ありがとうございました。