「はるみねーしょん」ってどんな漫画?|きらら探求軍
会話劇。
絵のある漫画にありながら登場人物の会話にスポットを当てた漫画であり、ある意味でアクション漫画やホラー漫画とは違う画力を必要とされる漫画です。
そんな一癖も二癖もある空気系と言う漫画で長期連載を果たした4コマ漫画「はるみねーしょん」について私見を交えながら書いていこうと思います。
あらすじ
女子高生であり宇宙人である「細野はるみ」はカレーと駄洒落が好物。
つっこめる地球人「髙橋ユキ」と、
メガネをかけている地球人「坂本香樹」、
彼女ら3人の日常的な掛け合いで話は進んでいく。
「はるみねーしょん」ってどんな漫画?
2008年2月号からまんがタイムきららキャラットにて連載が始まった本作。
10年以上の連載を経て2019年8月号にて連載が終了しました。
アニメ化はされていないのですが、今は亡き(と言って良いのかはわかりませんが)ソーシャルゲーム「きららファンタジア」に参戦している作品です。
きららファンタジアはソシャゲなので当然キャラクターには声が当てられます。
アニメ化した作品なら当時のキャスティングをそのまま続投すれば良いだけの話ですが非アニメ化作品だとそのキャスティングから始めなくてはいけません。
そういうこともあってか非アニメ化作品できららファンタジアに実装されている数少ない漫画の一つであり、それら作品の中で最初にきららファンタジアに実装された漫画でもあります。
会話劇は当然”会話”劇なのだから登場人物の会話、すなわち掛け合いがメインとなってきます。
そうなってくると一つとても厳しい現実として、この漫画を好きである人と嫌いである人との間に決定的な溝が生じることになります。
例えば漫画「ONE PIECE」。
この漫画が好きな人にその理由を訊けば様々な理由が挙げられるでしょう。
登場人物が好き
設定が好き
アクションが好き
ストーリーが好き
必殺技が好き
思いつきませんが多分他にもあることでしょう。
しかし会話劇となるとこうはいかないのです。
先述した通り会話劇のメインはあくまでも会話であり、登場人物の掛け合いが中心です。
そのためストーリーに突飛さは求められていません。
必要なのはしゃべり漫才のようにオチに向けて丁寧に展開を積み上げていくこと。
登場人物に異常性は必要ありません。
突飛な設定は必要ありません。
アクションシーンなんて不必要。
たいしたストーリーも必要ありません。
必殺技なんてもってのほか。
こうなってくると人気を得ることの難しさがよくわかるかと思います。
見ためのインパクトではなく、その漫画の面白さがそのままダイレクトに評価に直結するのです。
ぶっちゃけ作画なんて描き込みはあっさりの方がむしろ好ましいくらい。
ところで。
まんがタイムきららと言えばどういった漫画が載っている印象があるでしょうか。
直近の代償的な作品で言えば「ぼっち・ざ・ろっく!」、「まちカドまぞく」、「ご注文はうさぎですか?」。「スローループ」、「星屑テレパス」・・・。
いずれにしても、
- 綺麗な作画
- 良く練られたストーリー
- 緻密なキャラ設定
のどれかに該当します。
つまり「ONE PIECE」タイプの漫画であり、特にキャラデザに関してはきららが”萌え漫画”に特化した漫画雑誌であることを考えればやはりそういう絵柄の方が好まれると考えるのが自然。
改めてここで「はるみねーしょん」を見てみましょう。
これぞ会話劇。
これこそ会話劇。
ぶっちゃけゲスト掲載だって絵が良く描けていればそれだけで連載率は跳ね上がるような世界で、ここまでシンプルで”萌え”のカケラ程度しか感じさせないような風貌の漫画で10年以上もきららで連載することの難しさ、凄さというものを感じ取っていただけたらそれだけで当記事を書いた甲斐があると言うものです。
「はるみねーしょん」が長期連載されたのはシンプルに面白いから。
日本語の難しさを面白さに転換し、純粋な実力だけで高い評価を得続けてきた漫画
それが「はるみねーしょん」なのです。
それこそ「ONE PIECE」で言えば悪魔の実の能力者じゃないのに海賊王になるくらいすごいことだと思います。
いるらしいですけどね、そういう海賊王。