17 RPG不動産〜ファンタジーに現実要素を持ち込んではいけません〜
最近になって買える単行本は買えるうちに買った方が良いという事を学んだナナシです。「はるみねーしょん」8巻もう見なくなっちゃったな…
RPG不動産
「ロールプレイングゲーム」ではなく「賃貸(Rent)計画(Plan)案内(Guide)」の頭を取って『「RPG 」不動産』です。
登場人物
ど田舎出身。冒険者としてフリーで活動していく自信がなくて就職した魔法使い。
ラフリアとラキアの上司に森で拾われた、マスコット的役。裸族。
仕事をそつなくこなす僧侶。腹黒。
あらゆる武器を使いこなし、家事もこなせる元戦士。本作のツインテ枠。
あらすじ
無事学校を卒業したものの、フリーの冒険者として活動していく自信がなかった琴音。王国所属の不動産屋「RPG不動産」に就職し、職種様々なお客のお部屋探しや要望に応えていきます。
考察のお時間です
私が読んでて不思議に感じたのが、この世界の地理的構造。
例えば登場人物の名前をもう一度ご覧いただきたい。明らかに1人浮いているでしょ? 主人公の琴音ですよ。カタカナにしてもなんとも違和感のある名前。
最初、単行本ではなく連載の方を途中から読み始めた時「これは異世界転生ものか?」と思ってしまったくらい。だって帯に「異世界でお部屋探し!?」と銘打っているくらいだし。
実際は出身地の問題なんですけどね。
田舎と都市の交流状態
作中、長期休暇で琴音とファーが琴音の実家に帰る際、着くまでに都会から飛行船で4時間、列車で5時間、馬車で1時間。計10時間の長距離移動をこなしています。
現実だと東京から深夜バスに10時間乗ってると確か四国の徳島辺りに行けるはず。これを蛇足と言う。
琴音と漢字で書くのだから他のRPG不動産で働く人とは出身国そのものが違うのは明らかだと思います。そして琴音が10時間以上の時間を要する距離がありながら就職活動をこなしていた事から、田舎でも物資や情報の出入りは頻繁に行われていた事は確かでしょう。琴音の田舎は未だ危険なモンスターが沢山いて、それを狩りに来ている人が多くいるそうですからそこら辺から入って来ているのかも。
田舎と都市は同じ大陸に?
私の興味は果たして田舎と都市は同じ大陸にあるのか、という点です。
長距離移動初っ端に「飛行船」と言う乗った事の一度もない乗り物が出て来てしまうため何とも言い難いものがあります。
この世界の科学技術がどんなものなのか分かりませんので現実を元にします。
とある記事によれば日本で観光船として使われていた物が時速125km/hで飛んでいたらしい。これと同じ速度で飛んでいたとすれば4時間の飛行で移動する距離は500km。東京から500km、北に向かえば青森県の少し手前程で西に向かえば鳥取県や広島県と岡山県の県境くらいの所に行けます。
仮に田舎と都市との間に海を挟んでいた場合、つまり別の大陸に2つが存在していた場合、海を越える手段はこの飛行船しかありません。
海は都市の近くにある
RPG不動産のメンツがお客様案件で海に行っています。
結構気楽に行っている感があるので都市からそう離れていない場所に海はあるのでしょう。多分アメリカのワシントンDCみたいにこの都市は大陸の端の方にあるのだと思われます。
謎の果実「星の実」
都市で100Gで売られていた星の実と言う果物らしき食べ物。1G=120円と作中で説明されているので星の実は12,000円になりますね、って高ぇ。
琴音の故郷では畑に実っていた物をいくらでも食べられていたらしいので、琴音の故郷がこの実の産地の1つで都市に輸入販売しているのでしょう。店で12,000円で売られているのなら原価は10,000円くらいですかね、利益を考えて。だとすればどれだけ運搬にコストがかかっているのかって話です。
ここで改めて都市と田舎の位置関係を考えてみると、飛行船で移動した距離は大体500kmほど。その後に使っていた列車がどうも蒸気機関車らしいので日本で最速の蒸気機関車が129km/hらしいので切り上げて130km/hとすれば移動距離は680km。馬車の速度はさすが馬を使っているだけあってばらつきがあるので大体10km/hとすれば移動距離は10km。飛行船と合わせて1190km移動した事になります。この距離をやはり東京駅から北に向かえば北海道の稚内付近。西に向かえば日本海を越えて韓国まで行っちゃいます。
結論 おそらく・・・
長々と書いてきましたけど、実は話は簡単で物を海を越えた場所から運ぼうとすればどうしても運搬には船を使わざるを得ない訳で、そうなると運搬コストも跳ね上がるはずなんです。星の実の単価が10,000円するとしても生産地での原価が分からないのでそれが高いのか安いのか判断出来ませんが、12,000円という価格で普通に売買されているところを見るに星の実自体貴重な食べ物らしいのは想像できます。それなら単価10,000円も そんなに高くないのでは? それなら運搬にそれほどコストがかかっているとは思えません。つまり運搬に船は使っていないだろうから都市と田舎は陸続きと考えるのが自然のはずです。
更にいうと上にある移動距離の計算も現実の数字を元にしているというのも肝です。最初に情報や物資の出入りは頻繁に行われていると書いたでしょう? 仮に上の総移動距離が正しかったとして、約1,200km離れた場所と場所でそんな事を頻繁に行うでしょうか? もっと身近にあるでしょう、何か。あるでしょう。
だから実際馬はともかく、飛行船も列車も現実の物に比べれば遥かに劣っていて実際はもっと近い距離に田舎と都市はあるのでしょう。
さて、長々と書いてきましたが果たしてこの点を作者は考えているのでしょうか。多分考えてない。それならこの記事の8割方の存在意義もあるのかないのか、という話になる訳です。多分ない。
そして思った。こういうファンタジー要素の強い作品を真面目に考察するのはすごい冷める。
RPG不動産は大阪で行われた「まんがタイムきらら展in大阪」の展示に新規で加わった6作品の内の1つですから相当期待度も高い作品なのでしょう。それだと言うのに大阪の展示でRPG不動産をスルーしてしまったと言う過失。
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付録:きらら展複製原画の知らせ
先日複製原画が11月15日から配送開始される旨を知らせるメールが届きました。確認してみたら私の住んでいる地域だと配送開始日の次の日には届くそう。最短でね。
ところでこの複製原画はフレームに入れられて送られるのでしょうか。「わたてん 」の複製原画は複製原画だけで発送されて来ましたけど、きらら展の方は価格もわたてんのに比べれば3倍近くしますし、裸で送られる事はないでしょう。そう信じたい。
フレームに入れられているとして、前面のカバーはPET素材なのかガラス製なのかという懸念があります。もしそうならアクリルプレートを別途購入しないといけない訳で。
金がかかるなぁ。