まちカドまぞく解体新書 vol.1とネタ考察~ご先祖封印空間~
深く読み込みましょう。
まちカドまぞくを読み込みたい
巷には”きらら枠”なんて呼ばれるアニメの放送枠があるそうで。
これは1年4クールの内、高い確率できらら系列の作品が放送されているから、次第とそう呼ばれるようになったのでしょう。
つまりきららのアニメななんだかんだ毎年2~3本程度はアニメが放送されているという認識があるということです。
2019年に放送されたきららアニメは1本だけ。
ご存じ「まちカドまぞく」です。
そしてこのまちカドはとてつもないモンスタータイトルでした。
放送から2年が経った今、第2期の制作も決定し、連載の方もなかなかの盛り上がりを見せていますから、今一度まちカドを頭から徹底的に読み直したいと思い、こんな記事を書かせてもらっている所存。
1~3巻と4~は分別する
アニメ化が決まった時、連載分は単行本3巻のクライマックス辺りを描いていたようで、インタビューを見る限り、完結させようと話を進めていたことが実際に読んでみても分かると思います。
で、アニメ化が決まって連載続行することが決定したようですが、つまりそれ以降の物語はアニメ化が決まった時以降に作られた物語である、と考える方が自然です。
しかしBD1巻に付いてきた冊子を読む限り、登場人物の設定が一貫しているということは明らかだと思います。
ということで”解体新書”と銘打ち書き始めたこの記事は1~3巻と4巻以降は物語的には分別し、キャラクター的には連続しているという体で進めていきたいと思います。
そのうえで改めて単行本を読み込んで新しい発見があったらもうけもんみたいな、そういうコンセプト。
今回はその1本目。
その1:桃の左手
まずは有名なところから。
1話目にてトラックに轢かれそうになったシャミ子をさっそうと現れ変身し、救出した桃。
この時左手でトラックを止めた桃は腕を負傷。
どもう折っているようで、2話目登場時には包帯を巻いており、3話目にはリハビリをしています。
あの筋トレやる気満々だったシャミ子を威圧した片腕ダンベルプレスは基礎トレですらなかったということです。
骨を折りながらその治療が包帯を巻くだけというあたり、魔法少女の基本治癒能力の高さがうかがい知れます。
その2:シャミ子の身長
こちらも1話目から。
邪神像に魔法少女の生き血をぶちまけることで一族にかけられた呪いが緩和され、様々な恩恵を受けられるとのことです。
実際奇跡ながら桃の微量の生き血を邪神像にぶちまけるというか、塗りこめたことで、確かに金回りの困窮っぷりは多少は緩和されているように見えます。
それなら身長はどれだけ伸びているのでしょうか?
桃の身長と桃との頭身差からシャミ子の身長はおよそ140~145cm程度と予測できます。
これは劇中でシャミ子自身が”頭1個分高い”と思っているので間違いないでしょう。
つまりシャミ子の身長の飲み縮みは桃とシャミ子の頭身差を見れば分かることなのですが、そもそも伊藤いづも先生の画風が初期と現在とで結構変わっていますので何とも比較しにくいところ。
それでもあえて出すとするなら、20年5月号『まんがタイムきららキャラット』の以下の1コマ。
この1コマに限らず現在桃とシャミ子の頭身差はおよそ0.5個分ほどです。
つまりシャミ子の身長はおよそ10~15cmほど伸びていることになりますね。
でもこれが封印が僅かながらに解けたからなのか、1ヶ月4万円生活の呪縛から解き放たれ、多少は栄養素の高い食事ができるようになったからなのか、この区別はつきません。
その3:尻尾と感情のリンク
まぞくの尻尾の動きと感情の動きはリンクしていることがこの巻で良子や桃に暴露されます。
そのシステムは当初から組み込まれていたようですがどうも不完全だったらしく。
たとえばこのシーン。
桃からネギトロデニッシュを貰い、困惑するシャミ子の尻尾はまっすぐ上を向いて円を描いています。
そして桃から施しを受けているシーンでもまた尻尾は上を向き円を描いています。
これが矛盾でないのなら、シャミ子はネギトロデニッシュを実は喜んで受け取っていたということにいやそれはないか。
その4:大きな何かしらの木の下の桃
1巻のクライマックスとも言うべき桃の夢の中シーン。
このシーンの主な場所となったこの木はやっぱりこの木なのでしょうか。
かなりやせ細っていますけど、桃の夢の中の世界が事実と異なるifの世界ならむしろ現実と乖離した状態で描かれて然るべきでしょう。
考察:ご先祖封印空間
と、ここまで読み返してこれから先の展開と繋がりがありそうなシーンだとか、気になったシーンをピックアップしてきましたが、ここからは本編と一切関係のない小ネタレベルの考察をしていこうかと。
それがご先祖=リリスの封印空間。
初めてシャミ子の体にリリスが乗り移った時、その条件として、
- そこそこの電波
- いいお天気
- ちょどいいお供えカロリー
が挙げられます。
3つ目のカロリーはそのまま憑依するためのエネルギーとして消化されているとして、残りの2つはどのような理由で必要条件として挙げられているのでしょうか。
漫画でももちろん、アニメだと尚のことコメディ色が強いので、本当にただのコメディとして深い意味はないのかもしれませんが、それを踏まえてご先祖の封印空間は、
お空の上にあるのかなぁ
と、バカ丸出しの意見が出てきたのでご紹介。
つまりあの便利な重石にもなるごせん像は現実世界と封印空間とを結ぶ触媒のような働きをしているのではないかと。
あれ自体に封印空間が収められているわけではないと、そういうことでございます。
こう考えられる理由を1つずつ挙げていくと、まず電波。
これは読んで字の如く、電波です。
以前にもリリスはシャミ子に対し心の電源切ってるのかと強く説教かましていますから。
送受信共に万全でないとリリスはシャミ子の体に憑依できないのは簡単に納得できる話です。
そこそこ重めのデータのやり取りをしようと思ったら頑丈な回線が必要ですから。
で、2つ目の天気。
これは1つ目の電波とも関係があるのですが、電波もつまりは波長ですから、物理的影響を受けたりするわけです。
たとえば水蒸気とか。
なんでもマイクロ波は大気中の水蒸気によって伝播速度に影響を受けるのだとか。
と言うことは当然水蒸気の塊である雲による影響も大きいということです。
リリスのいう"いいお天気"というのが雲の少ない快晴に近い天気を指すのなら、いいお天気という条件は、
今のシャミ子の貧弱な電波でも無事に送受信ができる環境
とも言い換えられます。
つまり上に挙げた2つの条件は、
- 安定した電波
- 強固な電波
とも言い換えられるはずです。
となったらご先祖の封印空間はお空の上にあるのかなぁって。
そもそもごせん像の中にあるのならこれら電波の条件って一才必要ないですから、少なくともシャミ子の身の回りにないことは確かなはずです。
そもそもモノが抽象的なモノだから、子供に言い聞かせられる程度のふわっとした考察がしっくり来るのかなぁとも思っていたりします。
ということで、今回は1巻を改めて読み直し、気になった小ネタ程度の考察を披露してみました。
こんな感じのを後4冊分やっていこうと思っております。