【きらら8月号】初手悪手をとった「妄想アカデミズム」【読切・ゲスト感想】
「シン・ウルトラマン」観てきました。
久しぶりに特撮を語りたくなる良作でした。
以下が目次です。
22年8月号『まんがタイムきらら』
読切でないゲスト作には”尻すぼみ”な作品と”尻上がり”な作品とがあると思っています。
今回の漫画は”個人的”には確実に”尻すぼみ”な漫画です。
というか頭の期待値が高かったというのもあるのかもしれません。
妄想アカデミズム
キャラデザ的になんとなく見覚えのある感じだったのですが、初登場なんだそうです。
線の細くて華奢なキャラデザを見覚えてしまったのでしょう。
「またぞろ。」の読みすぎかな?
とかいうのは置き。
タイトルの”妄想”というワードと開始1発目の4コマから非常に今後の展開に期待ができる漫画でした。
なんと言ったって主題が”妄想”。
しかも”百合的妄想”。
これは「観音寺睡蓮の苦悩」と類似する要素でもあります。
違いは妄想の主役が自分か否か。
でもこの些細な差が結構大きな差を生み出したようにも思います。
話の軸が”妄想”となると如何様にも話は広げられるわけです。
なにせ妄想に現実味は必要ないんですもの。
だからシンプルに話そのものや登場人物のキャラクターに魅力があれば連載化してもまったく問題なく続けられるでしょう。
でもその”妄想”の部分に大きな問題があるんじゃないのかな、と思ってしまいました。
妄想中に”妄想”を持ち込むな
最初問題から次の妄想まで話はそつなく進みます。
そつなく普通に面白い漫画。
なのでこの辺は割愛しまして。
問題なのは2つ目の妄想。
主人公「湯島 未春(ゆしま みはる)」が、彼女の憧れであり妄想の対象である「室町 莉子(むろまち りこ)」が第一志望とする大学に無事進学し、室町と同じ大学に進学できたら、という妄想を広げます。
その妄想の中で室町は突然水着姿となります。
でもそれはどうだって良いんです。
先述の通り妄想の中は自由なんですから。
でも如何ともし難いのは次の会話。
湯島:莉子ちゃんどうして服を!?
室町:それは未春の妄想の中だからよ
湯島:そっかー!!
・・・。
妄想に出てくる人物が妄想とか言ったらそれはもうおしまい。
お笑いのコントの中でメタ的な発言で笑いをとることがあります。
コント中の人物が言わないようなことを言うことで稼ぐ笑いです。
でもこれって本来の笑い、コントの軸からずれた、ずれた笑いとなってしまうのです。
ネタが面白いから起こった笑いではなく、コント中のフィクション要素と現実とのギャップが壊れることで生じる笑いなのです。
「デッドプール」の面白さと同じなのです。
それを狙ってやってるのなら良いんですけどコントのそれは100%そうじゃない。
あくまでも偶発的な笑いであり、決して満足してはいけない笑いです。
妄想中の人物が妄想と口走るのもこれと同じなのです。
作者の力量から生まれる面白さではなくある意味誰でも簡単に稼げる面白さなのです。
正直このセリフを読んだ時点でそこそこ大きめのため息が出ました。
そういうこと言わせちゃうのかぁ・・・と。
妄想で話を広げようと思ったらこの手は悪手中の悪手。
先に「観音寺睡蓮の苦悩」と「妄想アカデミズム」の妄想の差は、その妄想の中に妄想する人=主人公が入るか入らないか、という点を挙げました。
「妄想アカデミズム」の場合はガッツリ湯島が入ってきています。
湯島が妄想中に入っているわけだから当然妄想は湯島の思う通り、都合の良いように変幻自在。
だからこそこんなセリフを妄想中の室町は言ってしまったのでしょう。
まとめ
センターカラーに「しあわせ鳥見んぐ」がくるとシンプルに嬉しいですね。
とかなんとかきららの感想をつらつら書きたかったんですけどあまりにも今日観た「シン・ウルトラマン」のインパクトが凄すぎて上手な言葉が出てきません。
こっちはこっちで感想書いてみようかしら。
このブログの趣旨からメチャクチャズレますけど。
まぁでも・・・現状当You tubeもメチャクチャズレてますし、良いか。